By Reuters Staff
3月25日、 欧州連合(EU)はガソリン車など内燃機関(エンジン)車の新車販売について、2035年以降も「e-fuel(イーフュエル)」と呼ばれる合成燃料の利用に限り認めることを決めた。
[フランクフルト/ブリュッセル 25日 ロイター] – 欧州連合(EU)はガソリン車など内燃機関(エンジン)車の新車販売について、2035年以降も「e-fuel(イーフュエル)」と呼ばれる合成燃料の利用に限り認めることを決めた。全面禁止に反発したドイツと合意に達した。
EUは内燃機関車の新車販売を35年以降禁止する法律の整備で合意していたが、ドイツが二酸化炭素(CO2)を実質排出しないe-fuelを利用する場合は販売を認めるよう求め、対立していた。
EU欧州委員会のティメルマンス上級副委員長(気候変動問題)は「e-fuelの将来的な利用についてドイツと合意を見いだした」とツイッターに投稿。ウィッシング独運輸相は「カーボンニュートラルな燃料だけを使う内燃機関車は35年以降も新規登録が可能」と投稿した。
エンジン車の新車販売を35年までに禁止する法案の最終決定は先延ばしになっていた。28日に予定されているエネルギー担当相理事会で修正後の法案が最終承認される可能性がある。
EUの議員たちが、2035年までにEU域内で新型内燃機関車の販売を禁止することを決議したとき、それは温暖化を叫ぶ者たちにとって画期的な勝利だった。
2月、欧州議会はこの法律を承認した。あとは、EUの政治指導者たちが確定印を押すだけだったのだ。
ところが、ドイツがその考えを変えた!
多くのEU関係者を驚かせたのは、ドイツ政府が、2035年の期限を過ぎても、合成燃料で走る内燃機関自動車の販売を認めるという抜け道を求めることを決定したことだ。
この例外は、EUのグリーン・クレデンシャル(緑化に対する確かな実績)を危険にさらすことになりかねない。EUは2050年までにカーボンニュートラルを実現することを法的に義務付けられている。
温室効果ガスの総排出量の約15%を自動車とバンが占めているため、汚染車両の段階的廃止はEUの気候政策の重要な部分となっています。
何が問題になっているのか?
内燃機関車の禁止は、2050年までに排出量をゼロにするというEUの野心的な計画の目玉のひとつです。
しかしここへきてドイツは、すべての内燃機関を禁止しなければならないという考え方に反対していますその代わりに、「グリーン」な燃料「合成燃料(e-fuels)」で動くエンジンを認めるべきだとしている。
イタリア、ポーランド、チェコ共和国を含む他のヨーロッパ諸国も、ドイツと一緒になって例外を要求している。
合成燃料(e-fuels)って何?
合成燃料(e-fuels)は、大気中から取り込んだ水素と二酸化炭素を使って作られる燃料です。合成燃料は、大気から取り出した水素と二酸化炭素を使って作られます。
この人工燃料を燃やすと、従来の化石燃料と同程度の量の地球温暖化ガスや大気汚染物質が排出されます。
ちなみに航空機の燃料も将来、合成燃料(e-fuels)に置き換えるようになってなっています。
e-fuelsは大気から取り除かれた炭素から作られているため、排出される二酸化炭素を相殺することができるのです。
E-Fuelsの問題点
- ひとつは、E-Fuelsはまだ大規模に生産されていないこと。
- 製造工程において相当量のエネルギーを使用する。
- 現在の製造プロセスでは日本円換算でℓ/1000円にもなってしまいます。
このことは決定的な問題になる可能性があります。
これと共に推進派は、テールパイプ(排気管)から二酸化炭素を排出する内燃機関は許可されることはないと述べる。最早これは宗教ですが…
新しい要求に対する反応
気候保護団体は、この変更は気候変動に対する行動を水泡に帰すと述べています。
クリーン輸送キャンペーン団体であるTransport & Environment(交通・環境)は、e-fuelsへの抜け道は電気自動車への移行を遅らせることになると述べた。
ドイツの計画は、2035年以降の既存車両により多くの従来型石油を使用させる一方で、新車両の脱炭素化を頓挫させるものであり、ビッグオイルにとってwin-winの関係です。
つまりe-fuels使用は抜け道でありその後も石油燃料を使い続ける可能性を残すということです。この決定にはビッグオイルの意図をはらんでいる可能性がある。
この決定に異を唱える本当の理由は?
「先発企業はすでにゼロエミッション車に多大な投資を行っており、保有車両の脱炭素化のために内在するリスクを取ることで報われるべきです。
昨年達成された政治的合意を覆すことは、非常にネガティブなシグナルとなる」と彼らは述べています。
つまり内燃機関反対は環境問題ではなく経済問題なのです!
トヨタ自動車の読み
トヨタは2030年時点におけるトヨタの動力源(パワートレーン)別の販売台数予測を示している。
内燃機関を持たないEVと燃料電池車(FCV)を合わせた台数が10%程度にとどまる一方で、内燃機関に加えモーターとバッテリー、そしてインバーターを搭載したハイブリッド車(HV)やその派生であるプラグインハイブリッド車(PHV)といった電動駆動車の合計台数が50%程度になるという見方をしている。
つまり今から10年以上先も、トヨタが販売する自動車の90%程度は電動駆動車を含めた内燃機関、つまりガソリンやディーゼルエンジン搭載車であるとトヨタは読んでいる。
またトヨタは、その先のシナリオとして2050年頃にはEVとFCVの販売比率が最大で40%程度になると予測している。
こうしたHVやPHVを含めた電動駆動車の増加を声高にするのはトヨタだけではない。
エンジンが発電機を回すことに徹し、モーターで走るシリーズ式ハイブリッドシステムである「e-POWER」でファンを増やし続けている日産自動車や、メルセデス・ベンツ/BMW/アウディといったドイツ御三家、さらにはここ数年、日本市場でも販売台数を伸ばしているボルボにしても同じことが言える。
ドイツが土壇場で反対した背景
ドイツは連立政権であり、変更を求めているのはその中のひとつであるリベラル派のFDPである。
「内燃機関が問題なのではありません。内燃機関が問題なのではなく、それを動かす化石燃料が問題なのです」「目標は気候変動に対する中立性であり、それは新技術のチャンスでもある」
早く言ってドイツはEVに出遅れ技術的にチャイナに勝てない。
そもそもバッテリは中国の一人勝ちの状態で、EVではもはやドイツに挽回のチャンスはない。
つまりこのまま突き進むと、ドイツの自動車産業は壊滅する。ドイツ人80万人の雇用とGDPの5%が雲散霧消してしまうのです。
「これは自動車だけの問題ではありません。その(論争が)政治的なシグナルを送ることになるのです」。