電線が空を覆う日本は先進国か?
先進国と言われる欧州のほとんどの市街地には電柱がない。
電柱と電線は地中に埋設されている。

ところが日本ときたら、市街地を覆う電線と電柱。これがあるために景観が損なわれ、その下で暮らす私たちは、まるで電線で作られた檻の中にいるようなものだ。
そういう意味ではまさしく日本は後進国になる。
こんな街になってしまったのは、戦後復興で通電を急ぐためであった。こういうものは一度作ってしまうと、やり直しにものすごい労力と時間とコストが掛かる。
よってそのまま放置され、そのうえで延長やメンテが繰り返されてる。
これではまずい!
地震や台風が多い日本でひとたび災害が都市を襲えば、夥しく立っている電柱や電線が避難や普及の邪魔になり、さらには火災等の二次災害につながっている。

だから政府としてもなんとか電柱の地中埋設化を進めたい。
ということで、名所や有名商店街などでは、電柱地中埋設化が遅々とはしているがこのところ少しづつ増えてきた。
電柱地中化が進んだ地域

例えば、東京では、戸越銀座商店街、浅草・仲見世商店街、目黒銀座商店街、巣鴨地蔵通り商店街、日本橋室町などは大分綺麗になった。歴史的な老舗商店が並ぶ東京の中心ストリートでも地中化が行われている。
神奈川県でも、横浜中華街・元町ショッピングストリート、鎌倉小町通りがそうなった。
他には、京都の祇園、産寧坂(三年坂)、花見小路通、東山花街、南禅寺周辺、嵐山・清水寺周辺、渡月橋北側や清水寺の参道も地中化された。
兵庫県の姫路城周辺もそうなった。
埼玉県、川越一番街商店街では「小江戸川越」の蔵造りエリアで街並み保存の一環として無電柱化した。
青森県、五所川原市大町・立佞武多通りも祭りや観光の振興のため電線地中化が行われた。
このように電柱地中埋設は遅々としてではあるが進んでいるのであるが、果たしてどのくらいが地中化しただろうか?以下に示す。
電柱の地中化率
日本全土の無電柱化率(電柱の地中化率)は約1.3%程度であり、非常に低い水準だ。東京23区で約8%、大阪市で約6%と、都市部では多少高めですが、それでも主要先進国や国際都市と比べるとかなり遅れている。
名所や商店街のある主要都市の特定道路や観光地では、無電柱化が進んでおり、無電柱化の着手率としては約38%まで引き上げる計画や目標も示されている。
特に緊急輸送道路など重要な路線では52%まで拡大する方針が国土交通省により掲げられている。
現行の国土交通省の第8期無電柱化推進計画(2025年度末まで)では、4000kmの無電柱化路線のうち約9割の計画協議に着手し、約2200kmで工事を実施しており概ね計画通り順調に進んでいる。
ただし、無電柱化はコストが非常に高く、年間の整備ペースが限られるため、過去ペースで進め続けた場合、日本全国道路の全無電柱化には1000年以上かかるという。
1000年かかると聞けば、皆さんどうお感じですか?1000年といえば、一代30年として、約33代の親子孫の世代にあたる。笑うしかない話ですね。
で、これを大幅短縮する方法はないものか!?世にへつらう天邪鬼爺の魂胆をこれから披露します。
1000年も時が掛かるのは一にも二にも予算が足りないから。
「電柱の地中化(無電柱化)」事業に使われている年間予算は、国の直轄・補助事業を合計して年間約2,000億円〜2,500億円規模と言われている。
予算を年10兆円かけたら何年で完成するか?
で、仮に予算を年10兆円かけたら何年で完成するか?計算してみました。
予算を年10兆円かけたら何年で完成するか?
現在の無電柱化の予算規模や進捗状況を基に、仮に年10兆円という非常に大規模な予算をかけた場合の無電柱化完成までの年数を大まかに推計してみる。
【前提条件と背景】
現時点の日本全国の無電柱化率:約1.3%
全国の道路長さは約1,200,000km(国道・都道府県道・一般道路合計)
無電柱化にかかる費用は単純な平均で「1kmあたり約1億~3億円」といわれます(都市部は高く、郊外は低め)。ここでは便宜上2億円/kmで計算。
現行の年間予算は無電柱化専用ではなく、数千億円レベルの規模と言われることが多い。
ここでいう「年10兆円投資」は桁違いの増額ということになる。
【無電柱化全体費用と完了年数試算】
1,200,000 km × 2億円/km = 2.4兆円 × 100 = 240兆円程度。
※100倍するのは、人によって言う全道路網が異なるため余裕を持たせて推定。
【年10兆円投資時の完了年数試算】
240兆円 ÷ 10兆円/年 = 24年
【考察】
年10兆円は現在の政府の大型予算(防衛予算、社会保障費などに匹敵する規模)を遥かに超えるため、現実的ではないが理論的には約20〜25年程度でほぼ全国無電柱化が可能という計算に。
都市部の工事や設計、許認可調整、地中埋設の技術的・環境的課題を考慮すると、単純な資金投入だけで即時に完成とはいかず、実際には25年〜30年程度の歳月もかかる可能性あり。
地域ごとに優先順位をつけて名所や商店街から進めれば、より早い段階(10〜15年くらい)で主要区画の無電柱化はほぼ達成可能。
【結論】
もし国全体で無電柱化に年間10兆円の予算を投入できれば、純粋な資金面の観点から約20〜25年でほぼ全国の無電柱化が可能と推計される。
ただし、実際の工期、行政手続き、技術的課題を考慮すると25〜30年くらいかかることが現実的な範囲である。
予算はどこから持ってくるか!?
企業の内部留保

財源はある。企業が貯めてる内部留保600兆円の半分程度をお願いできませんか!?
「企業の内部留保」は日本の企業が積み上げてきた巨額の資金であり、約600兆円(あるいはそれ以上)とも言われている。
この内部留保の一部を政策的に活用できれば、国内投資やインフラ整備に大きな資金を回せる可能性がある。
ただし、この内部留保は企業の資産であり政府の財源ではない。
内部留保の一部を有効活用するためには、企業収益に対する税制優遇・投資促進政策や、民間と政府のパートナーシップによる官民連携ファンドの設立、さらには法的・制度的な支援が必要です。
政府と企業がしっかり対話
さらに言えば、政府と企業がしっかり対話し、協力関係を築くことが極めて重要になる。
企業側も公共事業への投資は単なる支出ではなく、中長期的には需要拡大や生産性向上につながり、結果として利益回収や成長機会の創出になると理解すれば、協力的になる可能性が高い。
具体的には、
インセンティブ設計:公共事業に回した資金が、企業にとってリスクに見合うリターンをもたらす仕組み(例えば税優遇や補助金、共同投資スキームなど)を用意することがカギである。
説明責任と透明性の確保:投資の目的や効果、分配の仕組みをわかりやすく示し、企業と国民双方の理解・納得を得ることが重要である。
長期的な協調体制:政府と企業が定期的に政策や投資の進捗を確認し、柔軟に調整していく場を設けることも実用だ。
こうした対話と仕組みづくりがあれば、巨額の内部留保を経済的に有効活用でき、公共事業を通じた経済の活性化や社会インフラの強化が期待できます。
政策リーダーとしての強いコミットメントと戦略的な調整力があれば、企業も納得して動いてくれる可能性は十分にある。
年10兆円規模のこの事業がなされたばあい日本経済にどんな影響を及ぼすか?
年10兆円規模で無電柱化事業を実施した場合の日本経済やGDPへの影響について一般的なメカニズムから考察する。
大規模インフラ投資による経済刺激効果
GDP成長率の1%程度押し上げる
年10兆円もの巨額の予算投入は、土木工事、電気設備、設計、材料供給、労働需要の大幅増加をもたらし、関連産業の生産活動が活発化する。これにより、GDPの押し上げ効果(乗数効果)が期待される。
日本の名目GDPが約550兆円(2024年頃)とすると、10兆円はGDPの約1.8%規模で、理論的には数年にわたる継続的投資でGDP成長率の1%程度押し上げる可能性もある。
景観改善・防災力向上による経済の長期的安定化
無電柱化は都市の景観向上と地震など災害時の停電・交通障害の減少に寄与し、観光振興や被災時の経済損失軽減といった経済面でのプラス効果がある。これら効果は定量化が難しいものの、地域価値向上や安全安心の経済的メリットとして中長期的にGDP向上に寄与する。
コスト高・資金循環の課題
一方で、無電柱化の工事・設備コストは高く、また全国規模での急速な整備は資材、人材需給のひっ迫や価格上昇を招くリスクもある。大量投入による財政負担や民間資金の他プロジェクトへの流出も考慮する必要がある。
政策的・技術的制約
資金投入だけでなく、行政手続きの効率化や技術革新、地域優先順位の戦略的設定が同時に進まないと、投資効果が最大化できない可能性がある。
まとめ
年10兆円規模の無電柱化事業は大規模な経済刺激をもたらし、短期的にはGDPを押し上げる効果が期待される一方で、長期的には都市機能強化と安全性向上を通じた経済安定に資するものと見られる。
ただし、コストや市場・行政の制約も大きく、それらを克服する政策運営が求められる。
このことはぜひ実行していただきたい。石破後の新総理内閣と金持ち企業に大いに期待したい。