アメリカの外交官、ビクトリア・ヌーランドは、ウクライナに関する政策(民主化)において重要な役割を果たしてきた。
2014年に彼女が「EUなんかくそくらえ(F**k the EU)」と発言したのは、ウクライナの政情不安に関連する出来事での発言である。
具体的には、アメリカがウクライナの政権交代を支援する際に、EUの対応が積極的でなかったことが背景にあるとされている。
この発言は、後に大きな波紋を呼び、彼女の外交政策に対する批判や議論を引き起こた。
このように、明らかにアメリカが、2014年のロシアによるクリミヤ併合後、いかにウクライナの政治に介入してきたかがわかる。
もっともロシアも同じように介入している。
ロシアによる介入は、ウクライナが、旧ソ連邦の一因であり、ロシアとの関係がとても深かったことによる。
ウクライナは旧ソ連の中心であり、ロシア人が多く暮らしている、いわば兄弟のような国だったのだ。
アメリカCIAは密かに工作する。結果、ロシア人が多く住む東部に対し、西側寄りの政権は、私設軍をもって武力で迫害した。
とうぜん東部のロシア人は、宗主国であるプーチンに、助け舟を懇願する。
おまけにウクライナは、Natoへの加入を画策する。これはプーチンが最も受け入れ難い所業である。
1989年11月9日のベルリンの壁崩壊後、Natoは東に1ミリメートルも拡大しない約束を反故にした。
その結果、1999年、旧ソ連衛星国のポーランド、チェコ、ハンガリーがNATOに加盟。
2004年の第二次NATO東方拡大では、バルト三国(エストニア、ラトビア、リトアニア)が新規加盟。
続いて、ブルガリアとルー マニア、スロヴァキア、スロヴェニアが加盟。
これによって、黒海に面する5カ国中、3カ国までがNATO加盟国となっ た。
ここまでくれば、プーチンの怒りは沸騰する。2014年2月20日クリミアに侵攻し併合。
そして、2022年2月24日、キーウに侵攻開始、これが3年にも及ぶ現在の露宇戦争の始まりである。
このような経緯を見ると、ロシアが先に手を出したからロシアが悪いと判断するのは早計である。
露宇戦争、これは西側陣営とロシア(絶対主義国家)とのせめぎ合いである。
西側には西側の正義があるが、当然、ロシアにはロシアの正義がある。
EUとアメリカそして日本もウクライナに肩入れする。それは西側の正義だ。全世界には通用しない。
ロシアは中国と手を結び、北朝鮮にまで支援を請うている。
つまり露宇戦争は単なる兄弟げんかではなく世界を二分した代理戦争だ。
ところが戦争を3年も続けていると、とうぜん支援疲れが起こる。
ロシアにしても、かつてのクリミヤは、開戦後1週間で片を付けたが、此度のウクライナは抵抗が甚だ厳しく、東部をほぼ手中にしたが全土を支配するには至っていない。
が、ロシアも、この辺りでそろそろ決着をつけたいと思っている。
そこに登場したのがトランプ米大統領である。彼は、自分が大統領になれば、一日で終戦させると豪語したが、事はそううまく運ばない。
プーチンとの会談は、ほぼトランプの思惑通り事が進んだようだが、先日行われた、トランプ、ゼレンスキー会談は、トランプの意にまったくそぐわず、ゼレンスキーはホワイトハウスから追い出された。
これには逸話がある。
この会談の前トランプは、ゼレンスキーに軍服を着て来るよう促したという。
ところが車を降りたゼレンスキーは、何時もの丸首シャツだった。実にバカにしている服装だ。
トランプが苦々しく皮肉を言う「ほう、今日はいやにドレスアップしてきたな」
いうまでもなくスーツにネクタイは、取引先との重要な商談や会議に参加する際や、結婚式などフォーマルな場では必須のアイテムです。
ホワイトハウスで会談をするのに、丸首シャツでは失礼極まりない所業と言うことです。
だから会談は最初から荒れた。ゼレンスキーは必至にアメリカがウクライナを守ることを迫り、パトリオットもっとくれという。
トランプは赤鬼となって憤慨する。たまりかねて横にいたバンスまでが口を開く。
「あなたはアメリカに対して感謝が足りない!」
記者席からはゼレンスキーに対し「なぜスーツにネクタイで来なかったか?アメリカを軽んじているのか?」と質問が飛ぶ。
感謝が足りない…ここのところは重要なフレーズだ。
ゼレンスキーはアメリカの茶々に乗って戦争を始めた。だから支援を受けて当然だと思っている。
けど、そんな身勝手がいつまで通るだろうか?
ゼレンスキーを、石破や今後の総理、官僚に置き換えると日本の未来が見える。
歴代総理は訪米するたびに、有事の時は日本を守るかを確認する。
日米安保条約を押し頂きあがめているのだ。
アメリカには日本を守る義務がある、というスケベ根性が透けて見える。
しかし、アメリカが戦時になった時、日本がアメリカとともに戦うことは、憲法9条を盾にとって言葉を濁す。
今までの米国大統領は穏やかだった。覇者の余裕である。
また以前はアメリカにも国力があり、絶対的な軍事力があった。
しかし近年は、アメリカも疲れ気味なのである。世界の警察官は出来ないと公言もしている。
もし石破が今、トランプに「有事の時はアメリカが守ってくれますね?」などとぶち込めば、トランプは赤鬼になる。
「馬鹿タレ!何言ってんだオマエ!もしアメリカが有事になったら自衛隊を出して戦ってくれるんか?」
おそらく石破は「……」で、ホワイトハウスからたたき出されるに違いない。
だから日本は、できるだけ早く法改正をし、自国は自国で守る普通の国にならなくてはならない。
私立高校無償化や、103万円の壁や、夫婦別姓など審議している暇はないのである。
以上は余談である。
話を戻す。
おそらくプーチンは、この成り行きにほくそ笑んでいるに違ない。
いかに西側が頑張っても、ロシアに負けはないのを確信しているからだ。
トランプの登場によって、ビクトリア・ヌーランドの野望は露と消えるかもしれない。
結果として、ウクライナは西側とロシアの草刈り場になる。
ヌーランドが、ウクライナの民主化とNato加盟を画策した理由は、多分、彼女の父親がウクライナ出身で、母親はロシア系のユダヤ人ということが大きく影響している。
女は感情で動き、譜面を書く力が皆無だから、時としてこういうことが起こる。