商船三井、ポルシェを提訴 「運搬船火災は電池が原因」
2024年3月6日 19:32
商船三井が独高級車ポルシェに損害賠償訴訟を起こしたことが6日わかった。
2022年にポルトガル沖で起きた自動車運搬船の火災は「積み荷の電気自動車(EV)の電池が原因だった」と判断した。
EV運搬時の電池の発火リスクの管理を巡り、議論が起きている。
商船三井は日本経済新聞の取材に対し「訴訟を起こしたのは事実」と話した。
ポルシェは訴訟の事実を認めたうえで「進行中のため詳細はコメントできない」とした。
合わせてフェリー各社が現在EV車の無人運搬を休止しているという。以下略
船舶やフェリーでの新たな脅威、電気自動車火災
リチウムイオンバッテリーは、小さなものはスマホから、自転車、自動車、潜水艦などにも使用されている。
バッテリーの発火の原因はいろいろあるが、そのメカニズムは、劣化により、セパレーターの遮断が十分でなくなりショートすることによる。
また電池の製造過程で、セパレーターに使う金属の切り粉などが、セル内に混入することがあり、これがショートを引き起こし、化学反応が急激に進んで一定の温度に達すると、熱暴走により発火する。
新車EVが船舶で発火するのはこの熱暴走が原因と思われる。
バッテリによる火災は、スマホの発火やバッテリー自転車の爆発、駐車中のEV車が燃え上がったりと枚挙に暇がないが困るのはリチウムイオンバッテリーは、一度発火するとおいそれとは消えない。
燃え始めた電池は、内部分解によって生まれた可燃ガスと酸素を燃料としさらに大きく燃え上がる。
そのためマンションの地下駐車場などEV車は駐車禁止になっているところもある。
近年車を運搬する船舶の火災事故が多発している。
これらは、新車EV車のバッテリー発火の可能性を示している。
船内での火災は壊滅的な被害をもたらす可能性がある。
多くの種類の火災には標準的な消火手順があるが、革新的なEV自動車による火災が運搬の新たなリスクにつながっている。
このての火災は消す手段がほぼないから厄介だ。
ドイツ連邦運輸・建設・都市開発省は、2013年から、船舶での電気自動車の輸送が船内火災のリスクを高めるかどうかを判断する調査を委託していた。
結論は、電気駆動車両 (BEV および HEV) の輸送は、火災の危険性を高めるというものだった。
この研究ではさらに、船上での追加の消火措置についての議論を含む、防火および消火手順についても取り上げられた。
船舶のほとんどは保険に加入している。
このような火災事故が多発すると、今後EV車運搬には割増の保険料が要求されるだろう。
EV車が売れれば売れるほど、あらゆる場面で火災の危険性が増える。
EV車は大型トラックには転換できず、よってさほど脱炭素に貢献しないばかりか、リセールバリューが悪く、また修理が難しかったり充電のわずらわしさ、極寒の地では充電ができないなどりデメリットが満載だ。
さらに使用済みバッテリーの処分方法がいまだ確立されていない。よって、数多くの使用済みバッテリーが放置されれば、汚染物質が流出し環境破壊に繋がると危惧されている。、
脱炭素で言えば、EVの最大の難点は、トラックなど大型車両には置き換えられない。
大型の車両を走らせるには、大型のバッテリーを搭載するしかなく、それでは貨物が積めなくなる。
そしてもしトラックに積んでも充電時間が一時間や二時間では終わらないだろう。
もうこの時点で脱炭素を狙ったEV車の未来は極まっている。
ちなみに現在、発火の危険がない全個体電池が開発されつつある。
従来の液体のリチウムイオン電池と比べると、同じサイズでも、より容量が大きくなり、充電にかかる時間も短縮されるという。
さらに電解質が漏れて発火することもなく、安全性も高まる。まさに夢の次世代の電池として期待されているものだ。
日産やトヨタでは2028年ごろを目途に実用化を目指しているという。特に日産は、具体的に「充電時間を3分の1に短縮」、「2028年にコストを1kWhあたり75ドル、その後、65ドルまで低減する」とメリットを説明している。
もしこれが実用化されれば、EVのバッテリ―の安全性は強化される。が、トラックに使えるまでに進化するかは疑わしい。