いつだったかのゴルフコンペ。
グループ内で遣り手と噂されたN専務と同伴したことがあります。
一緒にラウンドして、ホントにこの人遣り手なの?
今をときめく専務なの?って勘ぐったものでした。
それは、N氏のゴルフには品性というものが全く感じられないからでした。
その一、しつこい!
その二、下手なくせに、見栄を張る。
とんでも無い球を打って、同伴者も、本人も、キャディさんもボールの行方を見失った時のことです。
「あれ…あの下の方に見える白いの、ボクのボールじゃな~い?」
「う~~ん。違うみたいな気がするけど…」とキャディさん。
「しょうがない打ち直すか…」
ブツブツ言いながらもこのホール、ペナルティを払ってホールアウト。
その後、おもむろに谷底へ降りて
「キャディさん!これボクのボールじゃないの!だからボクあんとき云ったでしょ!」
もう顔を真赤にして罵ること、罵ること…
私たちは、同伴者として恥ずかしいような情けないような。
「専務もういいじゃないですか~アッコからじゃ、きっとリカバリできなかったんと違います~?」
この専務、次のホールに向う間中ぶつぶつ言いまくり、
まったく嫌なクソジジに成り下がって…
言うまでもなくゴルフは紳士のスポーツであります。
紳士でないものには天罰が下るのです。ゴルフの神様が試練を与るのです。
そら!もうきました。大試練です。
お気の毒に、ふか~いフェアウェイバンカーに捕まってしまったのでした。
しかもアゴ!
深さは背丈以上は優にあり前方脱出は先ず不可能!
この人引くことを知らんのか?
それでも打とうとするから
「専務~後ろに出すか、アンプレアブル宣言したらどないです~」
この御仁。当然聞く耳なんて持ちあわせておりません。ロバです。
やおら振り上げたウェッジをエイッ!とばかりに振り下ろせば
どヒャ~ッと舞上がる砂嵐。
頭から砂をかぶった砂かけジジイは
目をショボつかせ、ペッペッと砂を吐き出しながら
「どこ!?どこ行った~おらがボール!」
先回揉めたから、私たちは目をさらにして見ていたのですが
「あれ~?」不思議です。砂は見えたがボールは見えず!
天罰下りたか!神かくしか!?どこにもボールが見当たらないのでした。
またしてもロストボールか?と
バンカーの壁の上方、野芝が垂れ下がった辺りの土の中に微かに白く
「めり込んどる!」
「専務!今度こそアンプレ。アンプレアブルを~」
さてこの御仁さらなる無鉄砲。はっきり言えば馬鹿です。
馬鹿につけるクスリはないです。
もう幾つ叩いたかワタシらにも数えきれませんでした。
このごろ思います。
あのとき、この御仁に、子供の頃ちゃんとしたしつけがあったらと…
残念です。三つ子の魂百までです。
この専務はもういません。定年迎えて何にもセンムです。
笑い話ではありません。実話です。