鈴虫を飼っている。
もうかれこれ4~5年にもなる。
最初は、宅急便に揺られて「り~んり~ん」と鳴きながらやってきた。
信州は松川村の鈴虫である。
1~2年目、晩秋に成虫がいなくなったら、飼育箱を丁寧に新聞紙にくるんで押し入れに保管した。
3月の終わり頃、霧を吹いてラップでフタをしたら、しごく簡単にもぞもぞと気持ち悪いほど孵った。
3年目、古い毛布の切れ端にくるんで外の物置へ放り込んだ。
それでも、5~6月にはおびただしい卵が孵った。
去年の夏は、飼育箱5つ、数百匹に増えた。鈴虫がやかましくて眠れないほどだった。
人間、横着になるものである。
これほど孵るのなら、なにもこんなに丁寧にしなくても・・・
5つの飼育箱は、なんの養生もないまま、玄関の土間の片隅に放置された。
3月下旬、霧を吹いた・・・結果、5箱の内4箱は卵が死滅していた。
やっと一つに、漸くわづかな幼虫を発見、なんとか全滅を免れたが、その数は数えるほどに少ない。
20匹程度か・・・
鈴虫の卵は、乾燥には強いが寒さにはとても弱いようだ。
自然界に鈴虫が少ないのはこのせいか!?妙に納得した。
その鈴虫が夕べ、リ~ン、り~んと初めて鳴き出した。
声を聴いたら、うだるような玄関が幾らか涼しくなった気がする。
ところで、同じ個体を飼育し続けると劣化するというがどう劣化するのだろう?
鳴かないゴキブリになっちゃうのかしら?
それともコオロギのように丸くなっちゃうのかしらん?
覗いてみたら格好は、いまだ鈴虫である。
コオロギにはなっていない。鳴き声もまさしく鈴虫である。