4月初めに帰郷した時、兄からもらった大量のジャガイモから芽が出て来て
「こりゃいかん!」と、鳥汁、カレー、クリームシチューなどジャガ芋を使ったメニューをかなり増やしたが
いかんせん貰ったジャガの量が多すぎた。
もう芽の伸びる方が、消費するよりも遥かに早く、こりゃ捨てるしかないな…と観念したが
そこでわたしの勿体ない爺さんの脳細胞がシャワシャワと動き出し
「そうだポテトチップスをつくったろ」に至った。
ジャガイモは芽の部分にグリコアルカロイド系の毒があり、
食べてしまうと吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などの症状が出る言うので
ざっくりと分厚く皮を剥き、芽の根っこの部分を厚めに削ぎ落したら、
やけにスマートな裸ジャガイモができた。
残ってた全て、およそ30個あまりの皮を剥き終わり、スライスする段になって、
まてよ、ポテトチップスほどの薄さじゃ手間がかかってたまらん!と横着をして
5mm厚でザックザックと切り刻んだ。
次に鍋に胡麻面を注ぎ、薄煙が立つほどに熱してから、3個ほど放り込んだら
ジュジャ~~ッと結構油が跳ねるじゃね。
跳ねるのは、ジャガイモの水分が大多いからであるな。と悟って、干し網に入れて一日陽に当てた。
が、干したのが災厄の始まりだった。
揚げるのは水分が飛んだから油の跳ねもなく快適である。
すべて揚げ終わって試食すると「あれま!嫌に硬いじゃね?」輪切りにした縁の方はカチカチだよ。
市販のポテトチップスとはえらい違いで、サクサク感など微塵もない。
お味だって歴史的な激マズ!
硬くて不味ければ家族のだれもが手を出さぬ。
よって自家製ポテトチップスもどきは、キッチンの隅でひっそりと佇んで居る。
後は捨てられるのを待つばかりだ。
わたしは困った、大いに困った。手間暇けて高いごま油を使って食えない代物を作り上げてしまった。
自己嫌悪に陥ることしばし…
そこでわたしの意地汚いビンボ神がささやく。
「ちょっことづつでもいいからお前が食えよ。旨いと思って食えば結構いけるかもよ」
ビンボ神の誘惑に負けて小皿に盛った硬~いポテトチップスもどき。
で、一大決心し一つまみ口に入れたのは昨夜。
ガリッと噛んだ瞬間、口の中で何かがはじけた!
一瞬にして口の動きが止まり、口の中の食べ掛けを吐き出す。
が明らかに口中には何らかの異変が生じている。
ゆっくり歯をかみ合わせると左上の小臼歯あたりに激痛が走った!
指を突っ込んで探る。と!小臼歯が真二つに縦に割れ内側がグラグラよ。
オイオイどうすんだ?これじゃ何も食えない。話にならないじゃないか!
日曜日は松本へ出張だろ?どうすんだよ、意地きた爺さんよう。
行きつけの歯科医の営業日を見ると「おぅ!土曜日も診療してるじゃん♪」
つうことで、行きつけの歯科医に電話して、
これこれでご飯が食べらなくなった、と泣き言を言って無理やり診療を頼んだ。
今日の一句

傾きて人なき宿に風光る