触らぬ神に祟りなし

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わたしは今算段していることが幾つかある。

そのうちの一つが非常に厄介だ。

もっともこのことは、多分に心理的なものだから、無関心、無信心な人にとっては他愛もない事であろう。

それは母が狂信してた霊〇会の事である。

ご存じの方は知っていると思うが、あそこの宗教は、先祖の霊をありったけ探し出して霊〇会式の戒名を付けて祭壇に祭り供養する先祖供養が売りだ。

そして誰もがビックリするほど仏壇が途轍も無くでかいのですよ。

そうそう、あの宗教では、あれは仏壇ではなく御宝前などと洒落た呼び方なのをこの間知った。

そんなことはどうでも良い。

問題はもう「ナムナム」する人がいないのに、その部屋が、霊〇会のなんとやらに占領されていることだ。

いちばん奥に祭壇が設えられその前に「供物台」「香卓」が鎮座しその後ろにお経を上げる時に座る椅子がある。

部屋の隅から隅までズイ~~ッと占領していて、どうにも信心していない者にとって厄介なことになっている。

実はこの祭壇、お袋がまだ若い頃は二階にあったのよ。だからその時代にはそんな厄介なことは起きなかったんだ。

そのお袋が歳を経るにしたがって二階に上るのが危険になった。

毎朝祭壇に供える大きなトレー一杯の水やご飯をついには持ち運べなくなった。

水なんか、なんであんなに沢山いるんだろう?コップが10個以上ってどうかと思うよ。

だから不思議に思って一遍聞いたことがある。そしたら何でも仏さんが沢山いらしゃっるらしい。

それでもさすがに危険だと悟ったのか翌日大工が来た。

数日後、一階の奥座敷の床の間が仏壇(御宝前)に替わった。親父殿が生きていたら魂消ただろうな。だって自分がお気に入りの掛け軸が外され、親父殿が嫌いだった霊〇会の仏壇になっちまったんだから。

それで今となっては困ったことになっているのである。

無信心な方ならそんなもの庭先へ放り出してしまえ!で一挙解決だが、わたしは霊〇会の信者じゃないけど神や仏は信じている。

そうそう、仏さまなら祟ることはないのよ。

困ったことにお袋が仏と称して集めた霊たちは浮かばれない霊、つまり地獄霊だから実に困る。

おふくろはその霊たちを拝んで、救ってやろうとしてたんだけどそれって果たして…。

それで何時だったか聞いたんだ「お袋さまよう、毎日唱えている南無妙法蓮華経ってどういう意味だ?」って。

そしたら「母ちゃんは昔聞いたことあるけど忘れた…」

「意味も分からず毎日朝晩唱えて、ホント救われるんか?」

「バカヤロ、お前も毎日拝めば有難さがわかるようになる」だと。

「……」

おっといけない。興奮して少し脱線してしまいました。話を戻します。

庭先へ放り出すとか、そんなことをして祟ったらどうする!?がいつも頭にある。

で、相談した。いろいろな方に。ダメだよねえ。こういうことは。

誰も経験したことがないかもね?多分、人によってマチマチでちっとも参考にならない。

困り果てて霊〇会本部に訊いてみたんさ。

信者のお袋が亡くなったことを告げ「仏壇の奥に下がってる掛け軸をどうしたらよいか?」と尋ねたら、先ず「あれは仏壇ではありません、御宝前です。掛け軸ではありません、ご本尊さまです。とたしなめられた。

そこで霊〇会は仏壇を御宝前と言うのだと知ったわけです。

何でも良いのですけれど、ご本尊さま、あれもう遣る人がいないのでどうしたら良いのですか?

ゴミとして出しても構わんのですか?とは流石にいえなかったけど、相談したら「そいじゃ教団に返却ということで送ってください」で片が付いた。

で、それをいつ実行するかである。私は近いうちに決行しようと思っているが、さっきも言ったようにわたしは信心深い、神も仏もあると信じているのですよ。

無信心の人ならあっと終わる作業だが、神も仏も信じるわたしは悪霊だっていると信じてるんですよ。

もしこの処置が「けしからん!」ということになって祟ったら困るのですよ。

まぁお寺さんにいえば「ほな魂抜きをして差し上げまひょ」で数万円払えば何とかなるだろうけど、祟りがこっちに来たら困る。

そこで考えた。わたしはGLAの始祖高橋信次師研究では相当年月を費やしたからこれを決行しようと思う。

師の講演や研修時の録音テープにはやはり、こういう場合「こんなもの!」などとぞんざいに扱えば障りがあるとおっしゃっておられる。

だから何らかの措置をしてから決行する方が良いらしい。

仔細は先ず、どのような仕儀になるかをそこにいる霊たちに言い聞かせる。

「今まで霊〇会の信者だったお袋が、あなた方を集めて戒名を付けご供養してきました。
しかしそのお袋は亡くなって今はもういません。お参りする人がいないのです。
いままでいろいろ有難うございました。しかしわたしは霊〇会の信者ではありません。
よって一週間後にはこの祭壇を閉じます。
なのでお袋がお世話になったお礼にこれから一週間ご馳走します。
あなた方はどうぞ一週間以内に元居たところにお帰り下さい。」こんな風に言ったらどうかな。

早く座敷を占領しているあの訝しいものを撤去して、夏の日の午後、窓という窓を開けっぴろげ昔のように昼寝をしたいものです。

触らぬ神に祟りなし。

矢鱈滅多、神や霊を祭ることは下手をすると祟るのでご用心!

信次師の講演テープには悪霊を呼び出して実験する「現象」というカリキュラムで、悪霊に憑依された方たちの悍ましいシーンが展開されている。

だから触らぬ神…は案外、的外れではないかもしれません。

 

今日の一句

新緑や命の限り神宿る

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