バイデンが副大統領だった時、習近平国家主席に「日本が核武装したらどう思う?」と言った理由。

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なぜバイデンは「日本の核武装の可能性」をほのめかしたのか?

バイデンが副大統領だった時、習近平国家主席に対し、「習さんよう、あんたが北朝の核開発を止めなければ、日本は核保有の可能性があるでよ」と言った記録がある。

このことは、バイデン自らが、2016年6月、米公共放送PBSのインタビューで明かにしている。

発言の趣旨は、中国側が米軍のミサイル防衛システムなどは「中国を包囲するものだ」と懸念を示した際、バイデンは逆に問いかけた。

前述の発言の後続けて「日本は一夜にして核武装する能力がある」と。

「もし日本が明日にも核武装したら、あんさんどう思う? 」と伝え、北朝鮮の核を放置することが、中国が最も嫌がる「日本の核武装」を招きかねない、というジレンマを突きつけたのだった。

ただしこの発言は、当然ながら、アメリカが日本の核武装を推奨しているという意味ではない。あくまで中国を動かすための「警告(牽制)」として使われた。

バイデンは「アメリカが日本に核を持たせる」と直接言ったというよりは、「北朝鮮が暴走し続ければ、日本側の世論や状況が変わり、我々(アメリカ)にも止められなくなるぞ」というニュアンスで圧力をかけたのだ。

そしてバイデンが大統領になってからも、2022年のバリ島での首脳会談で、同様のロジックが使われている。

「北朝鮮の挑発が続けば、アメリカは同盟国(日本・韓国)を守るために地域での軍事的なプレゼンスを強めざるを得ない」と言い、それが中国の安全保障環境を悪化させることを示唆して、中国に北朝鮮への働きかけを求めた。

習近平は何と応えたのか?

バイデンはインタビューで、習近平がこの「北朝鮮の暴走が日本の核武装を招く」という地政学的なリスクを十分に認識した、と手応えを語っている。

習近平はバイデンに対し、「朝鮮半島の非核化」という目標自体には同意している。

ただし、それは「北朝鮮だけでなく、アメリカの核の傘(日本や韓国への関与)も後退すべきだ」というニュアンスを含ませている。

つまり「北朝鮮の核開発」は中国だけの責任ではない。「米韓合同軍事演習」を停止しないからだ、と責任をアメリカ側にも転嫁している。

とはいえ、日本に対する中国の本音は、日本の核武装は「最悪のシナリオ」だ。

そのため、バイデンに「日本に核を持たせる」との趣旨を告げられた際、習近平は強い不快感と警戒感を抱いたことは間違いない。

北朝鮮の反応は?

バイデンの「日本核武装」に関する発言に対し、北朝鮮が直接その発言内容を名指しして公式コメントを出したという記録は見当たらない。

しかし、当時の北朝鮮の行動やその後の反応パターンから、彼らがこの「日米の連携」や「日本の軍事化」という動きをどう捉えていたかは明確だ。

北朝鮮は伝統的に、日本が軍事力を高める動きに対して非常に神経質だ。

バイデンが習近平に「日本は一晩で核武装できる」と語った同時期、北朝鮮の国営メディアは、日本を「再侵略の野望に狂った軍国主義勢力」と罵り、激しく非難する報道を繰り返していた。

北朝鮮は、日米韓が連携を強めるたびに、それを自らの核開発を正当化する理由として利用してきた。

「アメリカが日本や韓国と結託して、我々を圧殺しようとしている。だから自衛のために核が必要なのだ」と。

バイデンがこの発言を明かした2016年は、北朝鮮が年に2回も核実験(1月と9月)を行い、ミサイル発射を加速させた年だった。

バイデンが「中国が止めないなら、日本が核を持つことになるぞ」と圧力をかけていた裏で、北朝鮮はむしろ「誰に何を言われようと、核開発の手は緩めない」という姿勢を実力行使したと言える。

バイデンが大統領になってからも「北朝鮮が核実験をすれば、米日韓の防衛体制をさらに強化する」という論法を繰り返していたが、北朝鮮はこれを「時代遅れの妄想」「安保不安を煽るトリック」と切り捨て、対話に応じるどころか、より強力なICBM(大陸間弾道ミサイル)の開発で応戦する姿勢を崩していない。

バイデン(アメリカ)の本音

実は、バイデン大統領(アメリカ政府)の本心は「日本に核を持たせること」ではなく、むしろ「日本が核を持たなくて済む状況を維持すること」にある。

習近平に対して「日本に核を持たせる」と示唆したのは、あくまで中国を動かすための「外交的な脅し」としての側面が強い。

なぜアメリカが「日本の核保有」を本当は望んでいないのか、その理由は主に3つある。

1. 核不拡散体制(NPT)の維持

アメリカは長年、世界中で核兵器が増えることを防ぐ「核不拡散」のリーダーとしての役割を担っている。

もし同盟国である日本が核を持てば、「NPT体制」が崩壊してしまう。

日本が持てば韓国も、韓国が持てば台湾も…といった具合に「核ドミノ」が起きることをアメリカは最も恐れている。

2. 日本に対するコントロール(影響力)の維持

日本が自前の核兵器を持つということは、国防を完全に自国で完結できるようになることを意味する。つまり自主独立である。

それをさせないためにアメリカは憲法で縛り、米軍を日本に駐留させているのだ。

それは第二次大戦後のアメリカの執念「日本を極貧国にして奴隷同様に扱う」が本音にある。

そのために現在は、日本をアメリカの「核の傘」にいれて、日本の外交や安保政策に強い影響力を行使している。

日本が核を持つことは「アメリカへの依存度が下がる」ばかりではなく、その核が「アメリカに向かう」かもしれないとの悪夢がよぎる。

日本が核保有すれば、東アジアにおけるアメリカの主導権はかなり希薄になる。

3. 中国・ロシアとの過度な緊張回避

バイデンが習近平を脅した一方で、実際に日本が核武装すれば、中国やロシアとの緊張は極限まで高る。

偶発的な核戦争のリスクが跳ね上がる。これはアメリカの安全保障にとってまさに最悪のシナリオとなる。

ということで、バイデンがほのめかせた「日本に核保有させる」は、中国の泣き所を突いたと言うに過ぎない。

そして習近平は「北朝鮮の核は困るが、北朝鮮が崩壊するのはもっと困る。だから現状維持がいい」が本音にある。

バイデンの発言は「日本を核武装させたいから」ではなく、「日本に核を持たせないために、中国に協力させたい」という逆説的なロジックに基づいている。

アメリカの基本戦略は、今も昔も「日本には核を持たせない、アメリカが『核の傘』で守るふりをし」日本の核保有と自主独立をけん制する。という方針で一貫している。

 

今日の一句

菖蒲湯のほどよき温度(ぬくみ)孫はしゃぐ

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